KEIKO KOMA

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《新しい時代のシンボル。高麗恵子さん、心模様作品について語る》


 2006年、戦火のレバノンに再び平和が訪れるようにと、日本の戦時中に兵士達の無事を祈り人々が縫い託した「千人針」のような何かを、との 高麗恵子さんのお気持ちから、心模様作品の制作は始まりました。平和を象徴する心模様作品群はブローチに始まり、手染めのマーブリング衣装、小物、食器、ヴェネツィアングラスのアクセサリー、コーヒー心模様鞄、他 多種に渡ります。そして今年、マーブリング染めの大作をデジタルプリントした何種類ものカーテンが御目見えし、今、たくさんの方の住居を飾り始めています。



Q: マーブリングカーテンを創られるようになったきっかけは何でしょう?


K: ある時「カーテンが未来を開く」と見え、オーガンジーの生地にレースや色々なラインストーンを付けて、京都の住まいに掛けたのを憶えています。その後マーブリングで創ってみようか、と試作し付け替えたんです。家の窓を見て、窓辺が宇宙だったらいいな、というのが初めの気持ちでした。マーブリングカーテンは空間との境が無いから、例えどんなに狭い部屋でも無限な広がりを感じますよね。正に宇宙空間。




Q: 先日(9/6、茨城震源)の地震があった時、高麗さんは『大いなる存在からのメッセージを受け、地球で生きる生命から脱皮し 宇宙空間で生きる生命となるべく変身の時が来たことを確認しました』とウェブサロンに書かれています。真の宇宙生命で生きることを体得された今より前に、既に予知するが如く、宇宙空間を表すカーテン事業を立ち上げられている、このストーリーが凄いと…。先日は心模様作品展をされる との御話も伺いましたが、具体的に何か見える光景があるのでしょうか?


K: 具体的に何処で開催する、ということを自ら決めておかないと時は来ない と今朝、感じたのです。「御告げ」と言っている空間からのメッセージは、自分が決めてから匂うように来るので、来年には海外で開催すると決めたから、まもなく新たなメッセージが来ます。ずっといつか、と待っていても時は来ない。目標をはっきり持つことで来る、ということですね。宇宙生命になると「御告げ 」として見えたり聴こえたりした事柄は全て成っていく、と私は先日の、いだきしん先生のコンサートで生命を以て経験し、解りました。地球人では成っていかない。誰しも俗世を脱ぎ、宇宙生命として生きる時です。




Q: マーブリング作品は、意識的な何ものも介在せず、光と水の一瞬の出会いにより創られている、と伺っていますが、制作行程での一番のポイントは何でしょうか?


K: スピード!毎回、染める一瞬に至る速さがポイントで、ある瞬間に「国創りの魂」という表現になる某るエネルギーが、風みたいにフゥーッと来るんです。それが来た時は、必ず歴史的な模様を感じます。もっとも作業している最中は(そのエネルギーを)意識している間も無いですけれど(笑)。でも身体では判っているのです。今来ていると…。東北センターのテラスで作業した時は、蝦夷の魂が顕れ、作品に美しい水色の光が映し出されました。私は 魂のエネルギーが来た時には、香りや風でその存在を判り、どこまでも澄んだ、美しい純粋な魂を感じるのです。そして魂共に在る瞬間を いつも自分の腹の底で察知して、その時を逃さず 'パッ!' と染めるのです。少しでもずれたら作品に表れないから、一瞬の勝負です。




Q: 京都・八坂〈高麗ギャラリーカフェ〉の中庭、比叡山工房、岩手・盛岡〈東北センター〉、東京・武蔵関…と最近は各地でマーブリング作業をされていますが、どこでいつ作業する、というのは予め決められているのですか?


K: 予め ということはなく、やはり「時」があって、この日に(作品が)在ったらいい、というのが御告げのように見える時があり、見えたままに決めています。見えた作品は、正に新しい時代のシンボルではないか、と感じていて。例えば先日の仙台滞在中は、デパートにマーブリングするブラウスを買いに行き、それを仙台の受講生の家で下洗いしてもらい、翌日 盛岡に持って来て、東北センターでの応用コースの夜にマーブリング。明けて朝にラインストーン付けをし、東京に帰った翌朝、東京・スカイロケットセンターでラインストーンを縫う人とアイロン掛けする人に待機して頂いて完成。夕方には 講演会にいらした皆さんに御披露目しました。4日で3ヶ所を移動し完成・披露に至った訳ですが、関わるスタッフ皆の力で出来上がったという喜びと、あの時は時間が無くて、無理だから何度も止めようと思ったのです、実は。でも自分が「見えた」その日を逃すと、後はもう出しても仕様がない、出さない方がいい、とまでの気持ちになってしまい、この日この時、と見えた時は必ず間に合わせ表すことしかないと。私からすると、こういうプロセスと結果が、目に見えない世界では「先手を打ち 勝負に勝っている」ということなのです。自分は、良い世の中を創りたい一心で作品創りをしているので、新しい世界が顕れたことを形に表せたら「勝てる」という感じがあり、時は絶対に逃してはならない、ということだけがあります。新しい時代のシンボルを表す、というのが、昔の戦ではどういうことを差すのかは判りませんが、未来が見えている高句麗の王様だったら、きっとここで先手を打つ!というのが自分には判るんですね。今は戦国の時代ではないから争いはしないですが、こういうタイミングを逃さず世にない作品を表に現すことで、勝つ道を創りたい、というのが自分にはあるのです。




Q: それは戦国時代で言えば、幟(のぼり)を立てるような?


K: そう。見えたこの日に実行する、というのは正しく先手を打つことで、今日もこれから新しいヴェネツィアンネックレスの制作をしますが、只々創りたくて仕方ないんですね。今、魂のエネルギーが空間に満ちているのだと感じます。宇宙へ飛翔するネックレスです。




Q: レバノンの平和を願い、千人針のイメージから始まった心模様作品制作ですが、高麗さんは、それ以前から、このような作品群を創られる予知・予想のようなものはあったのでしょうか?


K: 全く無かったですね。でも自分が見えているものを形にしたい、というのはありました。例えば 教会に通っていた19歳の頃、聖書のカバーに刺繍をして何人かの友人にプレゼントしたのですが、その時刺繍で描いたのは、色も形も差し上げる人によって全然違う模様でした。私には、木や花、生き物等の生命が 光の図形で見えるのです。当時、プレゼントした方、各々の内面が見えていたかどうかは判らないのですが、見えた光の図形を具体的に表したい、というのは昔からありましたね。幼い頃から刺繍や編み物をよくしていて、機械編みの糸の色配合を独自にしたり、模様も自分が見えているままを創りたいというのがあった。洋服も、私には 自分と同じ5月13日生れの年上の従姉がいて、学生時代にデザインの賞を獲り留学し、帰国後に洋裁学校を造った。その人にいつも服を作ってもらっていたので、やはりオリジナル作品がずっと好きだったのですね。




Q: 先月の〈結工房〉でのサロンで、高麗さんは立体裁断で この世に無い服を創りたい、と仰っていました。これは具体的にどのようなものを描いていらっしゃるのでしょう?


K: これまで Keiko Komaブランドとしてのオリジナル服、例えばマーブリングの『フェニキアの風』ドレス(これはレバノン大学芸術学部・ガジ教授デザインのワンピースをモチーフに制作)や カットソーの一部はありますが、他のブラウス等は既成品にマーブリングを施しているのが現状で。今まだ マーブリングした生地から創っている作品は少なく、できるなら私は、見えるがまま生地を裁断し服にしてみたい。というのも、従来の「洋服」は元々西洋で生まれ 誰かが作ったものがその土台にあるので、服はこういうもの、という概念や行程に囚われると自由ではないのです。でも今までの型を無視し、完璧に見えるがまま裁断して創るのだったらこんなに面白いことはないなと。そうして全く新しいものが生まれたら、それまであった世の中のバランスが、もう変わっているのです。

自分は世界平和だけが望みだから、平和に向かう中で、真の「内面を表す」「宇宙空間を表す」作品というのは、これまでの世界とは完全に違う、世に無かったもの。なのでこの作品創りを次々すれば、確かに世界は変えられる、絶対に平和は成るなと。そう私には見えていて、成るまでやろうという気概でいます。


(interview & text : 岩村ゆかり)